「相場師一代」(是川銀蔵)より。
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株式投資の基本である”カメ三則”

「株式投資はちょうどウサギとカメだ」
ウサギは自分を過信しすぎて勝負を急ぐあまり途中で
没落していく。一方、カメは遅いようでもちゃんとゴール
に入っている。つまりウサギのように顔の皮をつっぱら
して目を真っ赤にして先のことばかり考えていては、
ゴールは途中で跡形もなく消えていく。カメになった
心境で、じっくり時間をかけて買うことだ。
「カメ三則」とは、
1、銘柄は水面下にある優良なものを選んでじっと待つこと
2、経済、相場の動きからは常に目を離さず自分で勉強する
3、過大な思惑はせず、手持ち資金の中で行動する

商売の道はひとつなのである。株式投資の基本が、”カメ三則”
ならば、不動産投資においても基本はやはり同じなのだ。
ニュータウン構想の情報を早くつかみ、誰もが予想もしない
水面下のうちに安値で買収してじっと値が上がるのを待つ。
先を読み、値上がりを確信した上の勝負なのだ。


「売りは迅速、買いは悠然」


「私は一日一日、それこそ真剣勝負をやっておるんです。失敗しても
誰も助けてはくれんし、自分の努力で運命を開拓していく以外、
生き残る道はない。だから、私は一秒、一分間に全力を傾けて
真剣勝負を続けました。だから、どんな状況の時でも正確な判断が
要求され、それを下してきた」
そうはいってもこれだけで今度の住友金属鉱山の成功を説明し
切れるものでない。
「人間には、一生のうち二度や三度のチャンスはある。それを
生かすか殺すかの決断のために、日常の努力と精進、そして
真面目といった理論と実践とを通じて日夜思考の訓練を重ねる
ことが成功への確率を増進する。そのために数多くの真剣勝負
を経験し、勝負勘を養うことだ」
つまり、「勘」とは、経験の集積から湧き出る真実的総合判断なのである。

”時代を先読みする目”を買え


私から、株式投資をされている一般大衆の方々に二つ警告をしておきたい。
まず第一の警告は、自分の持てる資金の範囲内で投資をすること。
第二の警告は、新聞や雑誌で大見出しにされる材料に飛びつくなということだ。

要するに、富士山の登山にたとえれば、二合目、三合目で買えということだ。
ところが、新聞や雑誌の大見出しに出た時には、すでに八合目、九合目
まで登っていると同じこと、頂上まではあとわずかしか残っていないのである。

”自分だけの情報を集め、二合目、三合目で買い、じっと待つ”これが
株式投資の妙味であり、原則である。

1、銘柄は人が奨めるものでなく、自分で勉強して選ぶ
2、二年後の経済の変化を自分で予測し大局観を持つ
3、株価には妥当な水準がある。値上がり株の深追いは禁物
4、株価は最終的に業績で決まる。腕力相場は敬遠する
5、不足の事態などリスクはつきものと心得る


「もうは、まだなり。まだは、もうなり」
「まだ、まだ」と思う心は、己の欲がいわせることで、
現実は「もう」なのだ。
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